三都半島アートプロジェクト

広島市立大学彫刻専攻では2014 年より、小豆島・三都半島を舞台にアートプロジェクトを行っています。本学の教員、学生、卒業生が中心となって企画し、小豆島での滞在制作、地域の空き家などを利用した展覧会を隔年開催してきました。また、三都半島アートプロジェクトは瀬戸内海の島々を舞台にした国際美術展「瀬戸内国際芸術祭」に参加しており、「瀬戸内国際芸術祭2016」、「瀬戸内国際芸術祭2019」にも多くの作家、作品が参加しています。

三都半島は、小豆島の中にあっても特に三方を瀬戸内海に囲まれた半島という地勢的背景のなかで、それぞれの集落はそれぞれの海路で外界と繋がっていました。現在でも特に神浦地区では、亀山八幡宮例大祭での勇壮な伝統行事「オシコミ」の際には奉納する太鼓台を網船に乗せて、池田まで海路で訪れます。

また、瀬戸内海沿岸は古来より海上交通の要所として栄え、帆船が主流の時代には各地に「潮待ち」「風待ち」のための停泊と滞在場所がありました。そこでは様々な思惑の人々が、様々な目的地を持ちながら一つの場所に留まることで、独特な文化を形成していきました。

地域社会との交流、滞在制作、研究や取材など通して、小豆島三都半島という地域の持つ歴史や風土、地勢に根ざしたアートプロジェクトを継続的に展開するための交流の場を創出し、地域に生きる人々の視点と、外部からの来訪者の視点を相互に交差させながら、アートを通じて三都半島のもつ魅力と可能性を再発見していくことを目指します。